イベントレポート
'02Festa ~Join us 3rd.~
'02Festa ~Join us 3rd.~
'02Festa!
2002年11月23日、24日の二日間、山梨県の八ヶ岳ロイヤルホテル(山梨県八ヶ岳ロイヤルホテル特設会場(山梨県北巨摩郡大泉村西井出字石堂 8240-1039)にて、BMWクラブ・オブ・ジャパン主催の「'02Festa(マルニフェスタ) 」が行われました。
BMW2002シリーズをテーマにしたイベントのなかでは今回、日本最大規模を記録。また総参加者数も650名を超え、近年のBMWイベントのなかでも最大級となりました。2日間ののべ参加台数は、全国各地(北は秋田から南は山口や四国)から集まったBMW車が380台、オールドタイマーモデルが165 台、2002シリーズがなんと102台を達成、全米で行われた2002イベントの2002シリーズ 参加台数80台を大幅に上回り、全欧に次いで世界2番目の参加台数を記録しました。
BMWクラブ・オブ・ジャパンでは、毎年後半BMWをテーマにした大きなイベントを行ってきました。ファミリーが楽しめて、クルマ好きが楽しめて、そして BMWファンすべてが楽しめるイベント、これがBMWクラブ・オブ・ジャパンの考えるイベントです。そして今回のメインテーマは、今年の西暦である 2002年を記念して、ずばり「BMW2002 」、通称マルニでした。マルニは、言わずとしれたBMWのオールドモデルで、現在のBMWの主力モデルである「3シリーズ」の元祖でもあります。1968 年に生産が開始され、その後のBMWスポーツセダンの地位を築き上げたエポックメイキング的なモデルで、日本はもちろん世界中に、いまなお根強いファンがいます。そしてそのファンの声に応えたイベントが「'02Festa 」であり、102台の参加を実現させてくれたのが、日本全国に数多くあるマルニのオーナーズクラブだったのです。
ゼロからの模索
この「'02Festa 」の企画がたちあがったのが、2001年9月。八ヶ岳のクラブイベント「Join us 2nd.」の時でした。そして今年1月のニューイヤーミーティングにおいて、各クラブへの協力依頼と共に、いよいよ「'02Festa 」が動き始めました。企画段階からすでに、今までに経験のない規模であることが想像され、どこから手をつけるべきか、そしてどうやって理想の「'02Festa 」を実現していくか。まずはほとんどゼロの状態から模索していくことから始まりました。運営スタッフは、本業の仕事を持っていますので、ミーティングをするためのスケジュール調整だけでも一苦労。不安と期待が入り混じりながらも少しづつ「'02Festa」は、動き始めたのでした。
ある日の国際フォーラム
8月31日、東京国際フォーラムのD401会議室に、全国から各協力クラブ、及び八ヶ岳ロイヤルホテルのご担当者にお集まりいただきました。ようやくおぼろげながら見えてきた「'02Festa 」について、意見交換を行うためです。議題は、プレートデザインについて、ゲストについて、トークショー、デモ走行、開始時間、参加費用、御土産、パーティ等など多岐にわたり、時間制限ぎりぎりまで、議論は白熱。多くの貴重なご意見をいただくことができました。
連日、深夜まで続くミーティング
その後の運営委員会は月1~2回ペースで深夜まで行われ、すでに決まり始めた各アトラクションや決定事項、懸案事項について無数の資料や書類が飛び交いはじめました。八ヶ岳ロイヤルホテルでの下見も何度か重ね、ある程度が固まった時点で、参加申し込みを開始しました。オールドタイマーオーナーへのアンケート配布も同時進行です。
申し込みを開始してからも、さらに各決定事項の見直しやアトラクションの具体的検証を続けた結果 、情報が氾濫して、最後の最後まで参加予定の皆様には混乱を招いてしまいました。
直前に近づいた11月に入ってからは、毎週1~2回、深夜までの綿密なミーティングが行われました。
朝起きたら、駐車場がBMWで埋まっていますように・・
イベント前日。運営スタッフは仕事が終わってから夜に現地入りです。すでにBMWジャパンのブースは設営が始まっており、夜のホテルロビーとは思えない雰囲気。そして深夜に最終ミーティングが行われました。最終ミーティングの主旨は「できる限り多くの不安点を除く。そしてスタッフ全員が同じ情報を共有する」という点でした。受付、オープニングセレモニー、ラリー、パーティ、打ち上げ花火、トークショー、デモ走行、コンクールetc これらをすべて順に検証していきました。
各自の部屋に戻ってからも各セクション別のミーティングです。就寝したのは一体何時だったでしょうか。
凍りついたZ1
11月23日。イベント当日です。太陽が上がり始めた早朝、駐車場へ降りてみました。ところどころ停まっているBMWは11月の八ヶ岳の麓ですっかり凍りついています。数時間後に本当にBMWが大挙押しかけてくるのでしょうか?そして「'02Festa 」の熱気は、この氷漬けのBMW達を本当に溶かすのでしょうか?それとも・・・?
そして受付開始時間。なれない手順に戸惑う受付の前には、あっという間に来場者の列が延びていきました。リストチェック、カープレートの番号調べ、宿泊の有無、車種別 の御土産作成、フォトコンテスト受付、ドライバーズミーティング案内、来場者の問い合わせ対応等をすべて同時に行わなければなりません。受付に多くの時間を要し、いきなりドライバーズミーティングの開始が10分ほど遅れてしまいました。
夢の序章
受付業務に追われているうちに、入口の外にはマルニが一斉に並び始めました。13時を廻り、オープニングセレモニーと同時にBMWトロフィ・ラリーがスタートしていたのです。そして外の様子を見にいったとき、その眼前に広がる光景に驚きました。八ヶ岳ロイヤルホテルの駐車場がBMWで本当に埋めつくされていたのです。空は快晴、もちろん凍りついていたBMW達も、元の美しい輝きを取り戻しています。そして、ステージ前には人だかりができ、アナウンスが流れる。爆音をたててBMW2002ターボが現れ、クラッカーが弾け、無数のカメラのシャッターが切れる。カープレートをつけた数十台のBMWは、八ヶ岳のワインディングへ向けてぞくぞくとスタートしていきました。
BMWトロフィ・ラリー
23日のメインイベントは、BMWトロフィ・ラリーです。ラリーと言う名前ですが、単純に速度を競うラリーではなく、目標物を探したり、与えられた課題をいかにスムーズにクリアしてゆくかが勝敗を決めるという、家族で楽しめるオリエンテーリング風のラリーです。
今回参加した70台は、順番にホテルをスタートし、ルートマップに従って、まずは途中二カ所のチェックポイント(滝沢牧場、まきば公園)に向かいます。この二カ所ではそれぞれ幅寄せや車庫入れ等、車両感覚を競うゲームを行いました。そして最終目的地のアップルパイの店「パイの家M-1」を探し当てたらゴールです。ゴール後には、さらに次の関門として、輪投げゲームや、ルート、BMWの歴史、マルニシリーズに関するクイズも行われました。今回の優勝は、車両年式によるハンディキャップを加算したポイント制で決められました。
会場のあちらこちらで
23日・24日の両日、会場には多くの出店がありました。 BMWジャパンによる「BMWライフスタイルアクセサリーショップ」では、売り切れが続出。来場者だけになんと30~50%オフでBMWアクセサリーがご提供されていました。そしてBMWモービルトラディションによる日本初の画期的試み「オールドモデルレストア&パーツ相談コーナー」、またBMWファイナンスによる「BMWカードカウンター」では、BMWオーナーだけが持つことを許される「BMWカード」が、多くの申込者に即日発行されていました。
一方、外の会場ではテレビ番組「どっちの料理ショー」でも紹介されたドイツソーセージ専門店「シュタンベルク」や、地元の草木染めショップ、石のアートショップ、かわいい木彫りのお土産屋さん。絶品のきのこ汁の試食コーナー、本格的石釜で焼くピザショップなどが並び、祭りムードを盛り上げます。またBMWサークルブースの一角ではBMW公認「BMWモーターサイクルオーナーズクラブブース」、今回たくさんのマルニの参加をインターネットで呼びかけていただいた「02Netブース」、オールドBMWのスペシャリストで今回の協力クラブでもある「シンプルオートブース」。同じく今回の協力クラブ「C.O.O (Club of 02) ブース」、「ニーレンクルップブース」、そして「BMWクラブ・オブ・栃木ブース」では、それぞれの仲間と談笑している様子が見られました。その他ご出店いただいた多くのサークル、ショップ、団体の皆様ありがとうございました。
クラブ史上最大に膨れ上がったパーティ
トロフィ・ラリーや会場の興奮も冷めやらぬまま、18時からは一階の「ホワイエ」においてウェルカムドリンク、そしてウェルカムHANABIが行われました。仲間と乾杯し、談笑している間もなく、花火職人による本格的なBMWの仕掛花火と、数十発の打上花火があがり、来週から12月だというのに、外で鑑賞していても寒さを感じないほどパーティ気分は否応なしに盛り上がります。そのあと続けて行われたBMWウェルカムイヴニングでは、クラブイベント史上最高の340名が参加!「ロイヤルホール」は、超満員となりました。今回は、ドイツ本国や日本の本社からお越しいただいた多くのBMW関係者も、ご協力いただいた地元関係者も、そして多くの報道陣も、一般 参加者も、一切の区別なくご同席いただきました。
BMWクラブ・オブ・ジャパン会長の高橋一尋の挨拶から始まり、BMWジャパン社長のルードヴィック・ヴィリッシュ氏による特製マルニケーキへのケーキカット、そしてヴィリッシュ氏のクラブ入会式が行われ、全員での乾杯。そしてドイツBMW本社「モービルトラディション」のゼネラルマネージャー、アルバーツ氏による、特別表彰式が行われました。こちらは、クラブ特別会員でもあり、数々のオールドBMWの動体保存を行っている「ドイBMWコレクション」の小川保雄氏が受賞されました。
一段落したころ、ドイツ「アウト・モトール・ウント・シュポルト誌の日本人特派員でもあり日本の雑誌でも大活躍中のモータージャーナリスト木村好宏氏と、バルコムトレーディング(BMWジャパンの出来る前のBMW正規代理店)で活躍されたこともあるというモータージャーナリストの草分け的存在「ジャック山口」こと山口京一氏による楽しいBMWトークショーが始まりました。そのあとのトロフィラリーの表彰式ではマルニシリーズが見事に1~4位を独占し、会場から拍手が湧いていました。
340名の大抽選会、久しく会ってなかった方との再会、遠くからくる途中の出来事、BMW談義、初めて会う方との連絡先交換、多くのことを語り会ううちに、夜は更けていきました。夜はいい
BMWブランドフィロソフィ
翌日になってもイベントは盛りだくさんです。BMWモービルトラディションによる特別 講演「BMWブランドフィロソフィ」は、24日朝9時からの開演にも関わらず、かなりの盛況ぶり。「'02Festa 」参加者のBMWに対する関心度がうかがえます。BMWにおける「モービルトラディション」の目的、活動内容など、まさにここでしか聞けないとても興味深い内容の素晴らしい講演でした。
申し訳ございませんが、駐車場にはもう入れません。
11月24日。駐車場入口の案内スタッフは大変だったでしょう。せっかく遠方からBMWで 来ていただいた皆様を少し離れた麓の駐車場まで引き返えさせたのですから。24日の昼過ぎ、キャパ220台以上のあの巨大な八ヶ岳ロイヤルホテル駐車場が本当に1台の余裕もなく埋まってしまいました。ちょっとした隙間、ホテル従業員用の駐車場、そして麓の村営駐車場まですべて満車になってしまったのです。こうなると嬉しい悲鳴を通り越してスタッフとホテル関係者は真っ青です。結局、来場されたオールドタイマーモデルの方には、駐車場通路を埋めるように停めていただくことにしました。この光景、一生忘れることはないでしょう。
BMWのテーマパーク
イベントも佳境に入り、記念写真のあと10時30分からは、川上完氏、木村好宏氏、山口京一氏の3名のジャーナリストによるディープなBMWトークショーのスタートです。そこにBMWジャパン社長ルードヴィック・ヴィリッシュ氏が、1975年式3.0Csiで登場。会場がより一層湧き上がります。トークショーも中盤に差し掛かった頃、今度はマルニのデモンストレーション走行が始まりました。ホテル麓からエキゾーストノートを響かせながら颯爽と登場、メインステージ前に停止してインタビューという流れです。BMWに造詣が深いゲストの3名からは「サンルーフがついているけど、さびない?」「これは僕がドイツで最初に買ったのと同じモデルです」「モールが落ちていて生活感が溢れていますね」「あぁいう使い方がカッコイイんだよね」等、鋭い質問やコメントが投げかけられ、多いに盛り上がりました。
ここでクラブイベントならではの特別演出。当日11月24日に、八ヶ岳ロイヤルホテルで挙式を挙げられたカップルによるパレードです。エントランスに集まった「'02Festa 」参加者と新郎新婦の関係者は、お二人が乗ったBMW330Ciカブリオーレが動き出した瞬間に、隠し持ったクラッカーを一斉に弾けさせ、お二人の新しい門出に花を添えました。
最後のコンクール・デ・エレガンス表彰式では投票による総合優勝の他、「BMWジャパン賞」や「モービルトラディション賞」、「フォトコンテスト賞」、一番遠距離から参加した方には「ロングディスタンス賞」など、特別 賞が多数用意しており、シンプルオ-トさんご提供の2002ターボ用マフラーなどの豪華商品が贈呈されました。
夢の最終章
そしてAufwidersehen!(ドイツ語で「さようなら」)
そしてエンディングセレモニー。楽しかった時間は、あっという間に過ぎていきます。夜遅くまで準備や設営をされた会場スタッフの皆様、この手作りイベントを暖かく見守り、強力にサポートしていただいたBMW関係者の皆様、最後までお世話になり続けた協力クラブの皆様、町ぐるみで盛り上げていただいた地元の皆様、赤字覚悟でご出店いただいた飲食ブースの皆様、地元ショップの皆様、思い出の場をご提供していただいた八ヶ岳ロイヤルホテルの皆様、そして、参加していただいた650名のBMWファンの皆様に、心から感謝します。皆様のBMWと仲間を愛する気持ちが、このイベントをこれほどまでに育て上げてくれました。運営は100%成功ではなかったと思いますが、100%楽しめました。感無量 です。 ありがとう。 気をつけて帰ってください。Aufwidersehen!
'02Festa! '02Festa!
イベントが間近に近づいた11月のある日、BMWクラブ・オブ・ジャパンホームページのTOPに、こう記しました。「'02Festa! '02Festa!」深い意味はありませんでしたが、運営スタッフの意気込みが伝わったのではないかと思います。そして今、再びここに記します。深い意味はありません。でもあのイベントに携わったすべての方には、きっとこの興奮と感動を共有していただけると思います。またきっとどこかで会いましょう。 Danke Schon! '02Festa! '02Festa!
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BMWクラブオブジャパンウェブサイト担当